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定着・離職対策

離職率が高い業界の共通点とは|厚労省データが示す“続かない職場”の構造

「うちの業界は人が辞めるものだから」 そう思っていませんか。

厚生労働省の最新調査(令和7年)によれば、一般労働者の離職率が高い業種は次のとおりです。宿泊業・飲食サービス業が21.5%、サービス業(他に分類されないもの)が20.3%、生活関連サービス業・娯楽業が16.1%となっており、全産業平均の11.4%を大きく上回っています。

しかし、これら三つの業種は入職率が平均より高いことが特徴です。宿泊・飲食サービス業は24.4%と特に高く、人は来ているにもかかわらず定着しない構造が明確に存在します。新卒大卒では宿泊・飲食サービス業の三年以内離職率が55.4%に達し、半数以上が早期に離職しています。

心理学では、人の行動を性格や個人の資質に帰属させ、環境や制度といった状況要因を過小評価してしまう傾向を「基本的な帰属の誤り」と呼びます。「最近の若い人は忍耐力がない」「うちの業界は辞めるものだ」といった言葉が出るとき、辞めた人が置かれていた状況を十分に見ていない可能性があります。

離職率が高い企業には、評価制度の不透明さ、上司との関係性の不安定さ、キャリアの見通しの欠如、業務負荷の偏り、職場文化のミスマッチなど、構造的な要因が共通して存在します。「人が辞める業界だから仕方ない」と捉える前に、自社の状況要因を丁寧に点検することが離職防止の第一歩となります。

離職率の高さを業界の宿命と捉えるのではなく、入職は多いのに定着しない理由を構造的に見つめ直すことが重要です。心理学と統計データの両面から、離職は個人の問題ではなく組織の設計の問題であることが明確に示されています。

《出典》
厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」2 産業別の入職と離職の状況(2026年8月31日公表)
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(2025年10月公表)

監修

新川 智子

アーキュリージャパン株式会社 代表取締役

国家資格二級キャリアコンサルティング技能士、国際EAP協会認定CEAP。自治体・大学・企業等での講師登壇および支援実績は15年。1on1面談実績5,753人。

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